声明・談話

年頭所感

  二〇一二年は、理事長を拝命して二年目でしたが、実に混沌・激動・波乱の一年で、様々な困難が押し寄せてきました。
 特に、年末の総選挙は、あれだけ劇的な結果になるとは予想できませんでした。
 三年半前、歴史的な政権交代がおき、国民と医療関係者は多くの期待を寄せました。しかし、民主党を中心とした政権が打ち出す政策は徐々に我々の期待から離れ、昨年は「一体改革」(消費税増税と社会保障の切り捨て)を国会で成立させるまでになりました。
 現在の経済状況下で消費税増税を決めたり、皆保険制度を崩壊させるTPPを推進しようとしたりと、野田政権がなりふり構わずに推進させた政策や法律に、国民が不安と不信を覚えたのは当然であり、外交の不手際なども手伝い一層、民主党離れを加速させたといえます。
 昨年は埼玉県内でも、周産期や小児科を閉鎖する基幹病院が相次ぐなど、医療崩壊が一層進行しました。二〇〇九年以前より医療再生が求められていたわけですが、三年半の間、問題は店ざらしでした。
 政権に戻った自民・公明の両党には、今度の大勝の要因が、前政権の「公約違反」への国民の批判の声であることを踏まえ、今後の政権運営がなされることを希望します。自己責任社会、過度な競争社会、セーフティーネットが崩壊した社会は結果的にこの国を弱体化させます。安倍内閣の誕生で、国の右傾化を懸念しますが、まずは、医療再生や経済、国民の暮らしを充実させる政策に万全を期すことがなければ、国民の支持を失うことになるでしょう。
 昨年の協会活動は、個別指導時のカルテコピー事件に対して、厚労省にコピーする根拠がないことを認めさせたことから始まりました。また、創立四十周年を迎え、秋には記念パーティーを開催し多数の会員から励ましをいただきました。四十年前に協会が創設された頃から、審査や指導における人権蹂躙をはじめ、開業医をとりまく環境は厳しく、今日ではさらに厳しさが増しています。
 一昨年来の脱原発の国民運動の歴史的高揚により、原発に依存しない世論の拡がりで、原発の再稼働を一カ所のみに押し留めてきています。国民の声が政府に影響を及ぼしている証左です。
 二〇一三年も厳しい一年かもしれませんが、引き続き、住民、議員の方々に、開業医の声を届けるべく、協会活動を邁進させていく所存です。また、協会の「三つの基本方針」①憲法に基づく公平性、②合理的かつ論理的運動の展開、③EBM(科学的根拠に基づく医療の提供)を貫き、次の十年の発展も作り上げていきたいと思います。
 今後のご協力をお願いし、年頭の挨拶といたします。
 
二〇一三年 元旦 埼玉県保険医協会理事長 大場 敏明

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