声明・談話

2013年9月25日
ノバルティスファーマ株式会社 御中
埼玉県保険医協会
理事長 大場 敏明
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さいたま市浦和区北浦和4-2-2 アンリツビル5F
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ディオバン不正論文問題の早急な全容解明を求める
 当会は埼玉県内の医師、歯科医師3890人が加入する開業保険医の団体である。
 さて、貴社が製造販売している降圧薬「ディオバン」に関する京都府立医科大学など5大学による国内臨床試験(医師主導臨床試験)において、貴社の元社員が身分を隠して研究論文のデータ解析業務に携わりデータの改ざんが行われていたという問題が発覚した。
 京都府立医科大学と東京慈恵医科大学は臨床試験においてディオバンに効果が出るように人為的なデータ操作が行われたこと、それによって当該論文の結論に誤りがあることを認めて謝罪会見を行っている。
 この問題を受けてイギリスの医学誌「ランセット」は9月6日に慈恵医科大学のグループが2007年に発表した論文を取り消すことを発表しており、これによって日本の医薬研究や医師に対する信頼が大きく損なわれたことは言うまでも無い。
 この問題で日々高血圧の診療に従事している我々開業医に及んでいる影響は計り知れない。我々医師が患者や国民から製薬メーカーの手先でないかという不信の目で見られており、我々医師自身もEBMの拠り所である学術論文に対して懐疑的にならざるを得なくなり、日常診療に多大な影響を及ぼしている。憤懣やるかたない。
 また、問題の発覚以降多くの医療関係団体より声明や見解が発表されている。済生会中央病院や徳州会グループはディオバンの使用中止の声明を出しており、全日本民主医療機関連合会は8月23日にディオバンの処方変更や採用中止を基本とする見解を出している。その他にも多くの医療機関において処方の切り替えや中止が行われていることは貴社も十分に承知のことと思われる。
 それに引き替え、これまでの貴社の対応はあまりにも無責任と言わざるを得ない。二之宮社長より「改ざんを示す証拠は発見されなかった」との調査報告が発表されたが、大学側の発表と矛盾しており到底納得できる答えになっていない。また、これまでに行われている貴社の公式発表はいずれもお詫びの文書に留まっているが、この状況において貴社が何よりもまず取り組むべきは問題の全容解明であり、それをなくして貴社の誠意を推し量る手段はない。
 以上より、当会は貴社に対する猛省を求めるため、当会会員へのディオバン処方の切り替えや中止を呼びかける次第である。併せて、厚労省の検討委員会の調査を待つことなくこの問題の全容解明を早急に行い製薬メーカーとしての説明責任を果たすべく下記事項に取り組むことを貴社に強く求める。
1.ディオバン不正論文問題の全容解明を早急に行い、製薬メーカーとしての説明責任を社会に向けて果たすこと。
以上

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