声明・談話

2014年1月28日
日本経済新聞社 御中
1月21日 大機小機欄「診療報酬の中身を見直せ」に抗議する
埼玉県保険医協会
理事 福田 純
 今年4月に2年毎に医療の診療報酬が改定される。財務省筋は伸び続ける医療費のプラス改定に反対している。「消費税率が上昇し、診療報酬も同時に上がると国民負担が増す」が、その理由だ。だが、医療機関が購入する物品にはすべからく消費税が掛り、診療報酬が現状維持となれば、医療機関が増税分を転嫁できない「損税」は、現在よりさらに大きくなる。
 厚労省が消費税増税分として算出した1.36%は、本来、損税分として、丸ごと追加されるべきもの。しかし、今度の改定は1.36%を加味した上での改定率が、わずか0.1%なのである。0.1%増は実質的に大きなマイナス改定になることは故意に紙面に載せず、読者に公平な判断をさせない意図があるのだろうか。
 紙面にある診療報酬1%は医療機関の4200億円とある。消費税率3%をどこにも転嫁できない医療機関は1兆円以上の減収になるであろう。新聞も公共という観点から「ゼロ税率」を要求しているのであれば、医療費も同じ生活必需品で「ゼロ税率」という観点に理解が欲しい。
 これを「大義がない」、「詭弁に過ぎない」と本当に思っている(与次郎)氏が書いているのであれば、医療現場の実態をきちんと勉強してからにして頂きたい。だが、編集長が校閲しているであろうことから考えると、医療現場の実態をあえて国民に知らさぬ、または誤解させる文面である。天下の"日経らしからぬ所業"と言えよう。

 厚労省"医療経済実態調査"の「病院、診療所のいずれも12年度に増収」とあるが、自民党政権時、毎年5年間、社会保障費2200億円ずつ減らされ"医療崩壊"が叫ばれた折、民主党政権になってこの削減が解除された。
 そのための一時の見かけ上の増加で、この点も医療分野に明るくない読者を欺く、恣意的な記載になっている。また、そもそも"医療経済実態調査"は、サンプル調査であり、また、最頻値が非公開とされ続けているなど、統計データとしての信憑性が疑わしい。

 「病床数規制」にしても厚労省は急性期病床の削減に止まらず、介護保険適応の療養病床13万床の全廃や医療保険適用の療養病床合わせて20万床の削減を予定している。
 全国各地で起きている「救急車受け入れ困難」による不幸な報道がこれら医療費の削減でさらに増加するであろうとの視点がないのには驚かされる。もしかすると、(与次郎)氏のお母上が明日、救急車に乗り病院に入院できない事態があるかも、という視点がない。

 "社会保障と税の一体改革"と称して「消費税3%アップは全て社会保障費に使われる、はずではなかったのか?」が昨今の国民の疑問であり、「政府に騙された!」といぶかっている。アベノミクスにあっても未だ一般庶民の生活実態は改善していない。そこに円安による諸物価の上昇や消費税増税。加えて諸手当等のカットが目白押しである。日銀や政府、経済界および貴紙の予想に反して、増税後の景気は落ち込み、国の税収は大きく減ることが予想され、新たな「失われた○○年」にならなければと考える。「杞憂や老婆心であれば良い」とも思う今日この頃である。

 公共の責任ある貴紙には大きな使命があるはずである。多くの国民が正しく判断でき、そして国民が「幸せになれる方向性の紙面にして頂けたら」、と残念でならない。
 また、(与次郎)名でなく本名を名乗るべきと考える。
以上

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