声明・談話

2014年4月11日

厚生労働大臣 田村 憲久 殿

埼 玉 県 保 険 医 協 会
理 事 長 大 場 敏 明
審査指導対策部長 小 橋 一 成
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      北浦和4-2-2アンリツビル5F
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4月診療報酬改定の在宅医療点数における「別紙様式14」の廃止を求めます
事務連絡により示された違法性をおびる書式は撤回を
 今改定における、在宅医療点数の大減算が地域医療現場を大変な混乱に陥れている事態はご承知のことと存じます。
今般、貴管下より発出された「3月28日付事務連絡:診療報酬改定関連通知の一部訂正及び官報掲載事項の一部訂正について」において、同一建物居住者に対して訪問診療を実施した場合の算定要件と「別紙様式14」が示されました。
「3月26日付け保医発0326第3号:『診療報酬請求書等の記載要領等について』等の一部改正について」において、「別氏様式14」をレセプトへ添付することも求められております。

「別紙様式14」が、在宅医療を担当する保険医のみならず、保険医療に係わる多くの関係者に衝撃を与えています。私どもは、開業医保険医の団体として以下のとおり、「別紙様式14(以下、「14」と表記)」を速やかに廃止することを求めます。


1.「14」が求める記載の内容は、大変に煩雑であり、実務的に困難です
記載する事項が多数であることに加え、取扱いが画一的でないことから、要件や状況に応じて、添付の要・不要を、全ての訪問診療時において判断することが求められます。
レセプトは1人の患者に1枚ですが、「14」は訪問の回数毎に添付の有無の判断が必要で、患者毎に枚数が異なることになります。

2.「14」が求める詳細な情報供出はレセプト審査に不要です
同一日に訪問診療を実施した「同一建物居住者」を全てリストアップすることが求められています。
住所、部屋番号、・・などの情報は、レセプトの審査に必要な情報とは考えられません。審査の目的以外の情報収集は、他の方法によるべきではないでしょうか。

3.「14」は個人情報保護法に抵触しませんか
「同一建物居住者」を全て書き出すこととされています。この要件は、同一施設内の入居者のみならず、例えば、大規模なUR集合住宅の住人も該当します。
患者のレセプトに、全く別世帯の近隣居住者の診療の有無、住所等が記された書式が添付されることは、法令に合致しているのか疑問です。審査機関や保険者における適切な管理も問題となります。

4.「14」の取扱いを関係者が一様に不明としています
添付書類の提出方法に関して審査支払機関(支払基金も国保連合会も)は、不明であるとしています。また、レセプトコンピューターメーカー、電子カルテメーカーも、レセプト添付の取扱い方法は承知していないとしています。改定に関するプログラムは事前に準備がされていることは一般的に知られておりますが、「14」は、そうした準備から漏れていることがうかがえます。
後から、とって付けたこの「14」は、あまりに煩雑です。

5.紙媒体での提出は、実務上困難です
レセプトの提出方法は、貴職の方針に基づき、電子媒体による医療機関が大部分ですが、上記のメーカーによれば、電子媒体での「14」添付は困難とされています。紙媒体による提出となれば、審査機関が電子媒体レセプトと付き合わせるために、紙媒体には、膨大な情報記載が求められます。

(例:伝送できない場合に紙媒体に記す事項)
医療機関コード、医療機関名、患者氏名、保険種別Ⅰ、保険種別Ⅱ、本人・家族欄、保険者番号、記号・番号、請求点数、など。

6.「事務連絡」で、患者の要介護度等の記載を求めることは越権行為です
訪問診療の実施要件に、介護保険の要介護度が関係することが、今改定において一旦、通知(案)に盛り込まれ、後日に撤回されました。「14」では患者の要介護度や認知症の日常生活自立度の記載が求められています。そもそも、患者の要介護度を、訪問診療の要件にすることは、中医協で合意がみられていません。
貴職管下より発出される事務連絡は、あくまで中医協での合意の趣旨に留めるべきであります。

7.疑義が多数生じ、正確な取扱いは困難です
「14」の記載や提出にあたっては、上記の他にも様々な疑義が生じています。正確な運用は困難といえます。保険診療は要件に基づき行われ、要件に基づきレセプトにより請求するものでありますが、「14」を強行すると、そうした前提が形骸化することになります。



以上に示しましたとおり、「14」は医療機関や審査機関、関連メーカーにおいて、運用することが不可能なものです。考案された担当官は、そうした実情を知らずに、今般の事務連絡を発出をしてしまったかのように考えられます。
診療所、病院は4月に改定された診療報酬の対応で、大変な混乱と実務的負担、経済的負担を甘受している渦中であります。
「14」は、この事態にさらなる負担と混乱を強いるものです。国民医療・保険診療の提供に責任を持つ貴職管下から、こうした無用な混乱が生ずるような事務連絡の発出は厳に慎まれるべきであります。
どうか、「14」が廃止される決断を賜りますよう、重ねて、お願い申し上げる次第です。
以上

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