マイナ保険証とオンライン資格確認システム義務化の対応

開催日: 2022年10月15日 7:00 PM - 8:30 PM

マイナ保険証とオンライン資格確認システム義務化の対応

日 時:10月15日(土)19:00 ~ 21:30
シンポジスト:竹田 智雄 氏(全国保険医団体連合会 副会長)、他
コーディネーター:山崎 利彦 氏(埼玉県保険医協会 理事長)

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1.見逃し配信(アーカイブ配信)
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【配付資料】
(1)解説用 スライド パワーポイント資料①
(2)アンケート報告用 スライド パワーポイント資料②
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2.講演概要報告
マイナ保険証と資格確認システム義務化 シンポジウムに300人
埼玉保険医新聞2022年11月5日号 抜粋

◆システムは医療の本質と無関係 義務化撤回を再確認

 10月15日に協会は50周年事業の一環で「マイナ保険証とオンライン資格確認システム義務化の対応」と題したオンラインシンポジウムを開催した。会員をはじめ、埼玉以外の10県の保険医協会から300人が視聴し討論に参加した。

 シンポジウム前半は、竹田智雄氏(保団連副会長)、松山洋氏(保団連事務局主幹)、渡部義弘副理事長が登壇し、資格確認等システムの概要を詳説した他、会員アンケート結果を発表し開業医の状況を紹介しつつ保険証の廃止による影響なども討論した。
 シンポジウム後半では山崎理事長も加わった4人により、参加者から寄せられている多数の質問に応えつつ、資格確認等システムは医療の本質とは無関係なものであることや、保険証廃止は医療界も国民も望んでいないこと、マイナンバーカードの普及のために国民皆保険制度が利用されている状況を討論した。

◆システムは医療の本質と無関係

 竹田氏は「離島や光回線未加入、高齢、小規模、電子機器に不慣れ、など様々な理由から義務化から除外が必要」と対応困難な診療所が多数あることを紹介しつつ、「現状では『年齢』による除外はない」とし「一件の廃院も出したくない」と義務化の撤回を求めていくと述べた。
 また「保険証が廃止されれば、医療を受ける権利がなくなってしまう」「マイナンバーカードは任意発行とすべき」「マイナンバーカードはポイント獲得を目的で取得した方が多い。利便性は理解されていない」と保険証廃止の撤回を訴えた。

 松山氏は、資格確認システムを義務化とされると、患者に対してシステム全般に関する説明と対応を医療機関が担わされること、国が発表している「運用マニュアル」をマスターする必要があることなど、医療機関の運用上の負担を紹介した。また「マイナンバーカードは在宅やオンライン診療では使用できない」「カード取得が困難な患者や国民への対応は未定」とし見切り発車で発表された保険証廃止の政府方針を批判した。

 渡部副理事長は、「政府はオンライン資格確認システムが安心安全でより良い医療の基盤となると言うが、根拠が希薄だ。医療の質の高さは医療者の技量にかかっている。医療をよくするための手段としてDXがあるべきだが、政府のやり方は社会のDXのために医療を利用している。現在の医療の良さを破壊してまで進めるのは本末転倒」、と述べた。

 山崎理事長は、協会は保団連と協力し他の医療団体や国民とともに、このシステムの問題をメディアや国会議員等に伝えて資格確認システムの義務化と保険証の廃止を撤回させていきたいとしてシンポジウムを結んだ。

 終了後の感想では「医療界全体として、はっきりと来年の導入は無理と表明すべき」「途方にくれていたところ元気づけられた」など義務化の撤回を求める声や内容に好評の感想が多数寄せられた。一方で「いつまで様子見をしたら良いかの具体的なアドバイスが欲しい」など、政府の義務化施策に困惑している声も寄せられた。