声明・談話

2013年9月30日
 会員各位
埼玉県保険医協会
理事長 大場 敏明
ディオバン臨床データねつ造事件に関する呼びかけと報告
ディオバンの処方中止や他の処方への切り替えを呼びかけます。
ノバ社に対して早急な全容解明を求める抗議文を提出しました。
 ノバルティスファーマ社(以下「ノバ社」)が製造販売している降圧薬「ディオバン」に関する京都府立医科大学など5大学で行われた国内臨床試験において、ノバ社の元社員が身分を隠して研究論文のデータ解析業務に携わり、データの改ざんが行われていた問題が発覚したことは広く報道されている通りです。
 京都府立医科大学と東京慈恵医科大学は臨床試験において人為的なデータ操作が行われたこと、それによって当該論文の結論に誤りがあることを認めている一方、ノバ社は「改ざんを示す証拠は見つからなかった」と大学側と食い違う調査結果を発表しており、今もなお問題の全容解明は進められていません。
 この問題で日々高血圧の診療に従事している我々開業医に及んでいる影響は計り知れません。患者から「このまま服用していても大丈夫なのか」という疑問や不安の声を聞いている会員も少なくないと思われます。処方の継続性や今回の問題について疑問を寄せている患者は多くないにしても、潜在的には多くいると思われます。
 それだけではありません。我々医師が患者や国民から製薬企業の手先ではないかという不信の目で見られ、我々医師自身も学術論文に対して不信の目を向けざるを得なくなり、医療界や医師に対する信頼性が崩されたといっても過言ではありません。
 この問題に対して、済生会中央病院や徳州会グループのようにディオバンの使用中止を組織的に進めている医療機関もあります。また、自身の判断でディオバン処方の中止や他の処方への切り替えを進めている医師も少なくないと思います。埼玉県保険医協会としてもノバ社に抗議をして責任を追及することが開業医団体としての責務であると考え、会員の皆様方にディオバンの処方中止や他の処方への切り替えを呼びかける次第です。
 また、協会ではノバ社への猛省を求めるべく別紙の通り「ディオバン不正論文問題の早急な全容解明を求める」抗議文を9月25日付けでノバ社に提出しましたので、ここにご報告いたします。
 この件について何かご意見等がございましたら事務局までお寄せいただければと思います。よろしくお願いいたします。

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