論壇
エセ民主国家をひた走る日本
戸田市 福田 純
一部の軍事政権や独裁国家を除けばアメリカ合衆国をはじめ世界の多くの国は民主国家である(とされている)。日本も世界的に見れば充分、民主国家とみられている。これらの国々では議会制民主制が敷かれ、民主主義の基本はあくまで“主権在民”が大前提である。正当な選挙により選ばれた議員により運営されている(はず)である。本来、これら当選議員の役割は、より多くの民衆の声を国政にどう具現化するか、であろう。だが、日本が直面している消費税増税、特定秘密保護法、原発推進、憲法改正、TPP参加問題等々、現状は必ずしも民意に沿った方向に動いていない。どこに問題があるのか検証してみたい。
まず、選挙方式に少なからず問題がある。①小選挙区制②投票率の低下③一票の格差④立候補者同士の公約の重なり等、である。小選挙区制では選挙区に一人だけしか当選しない。ある選挙区で五一%の獲得票者が当選し、四九%票の声は反映されない。本来ならば当選者はこの四九%の声も汲んで国会活動をすべきであろう。事実、先の総選挙で自民党は四三%の得票で二九四議席七九%の議席を獲得している。しかも〇九年の民主党が政権を奪取した総選挙時より約一六六万票も減らしていたにも拘らず、である。棄権した人も含めると、自民党の得票率は小選挙区では有権者の二五%にも満たない。
加えて、一票の格差問題。違憲・違憲状態の裁判所の裁定が出ているにも関わらず、改善の兆しもない。また、選挙公約(マニフェスト)の重複により候補者間の票が割れ、漁夫の利を得た当選者が出ることもあろう。今、東京都知事選の立候補者に細川氏が加わった事により、脱原発を掲げていた宇都宮氏と競合し、利を得る候補者が当選する可能性がある。
次に、選挙後の公約(マニフェスト)違反がある。選挙前にはどの候補者も大衆迎合になりがちである。だが、当選後それまでの言動を覆し、真逆の行動に出た場合、例えば民主党が政権を取った時の政権公約「消費税は四年間上げません」や今自民党当選議員の七割がTPP反対を掲げ当選。「聖域が確保できないときは撤退も辞さない」と謳っていたが、現安倍政権はTPP交渉会議から撤退する気配は微塵も見られない。沖縄の普天間基地移転問題では、仲井眞県知事が辺野古埋め立てを容認。これら選挙民への裏切り行為に対して、現状として国民はなすすべがない。
これらの対案として、直接民主主義方式を採用し、大きな課題ごとに国民投票を実施する仕組みを作る。当選議員は自分の思考に囚われず、国民が選んだ課題を只々ひたすらに愚直に実行するといった形態を構築する。その中で公約を覆したり、成果の出なかった議員たちは政界から排除される仕組みを入れるなどのペナルティを課する、方法である。
しかしながら、この方法の最大の難点はa.正確に民意をくみ取る方法、b.民意の操作がマスコミなどにより歪められないことが必須条件である。
今日まで、幾つかの大手マスコミは日本の正当な民主主義の醸成を阻害する元凶となり続けてきた。本来、マスコミは単に報道だけでなく、国民が“自由意志”で決定できるよう、偏りのない情報を提供する義務がある。さらに政府(権力者)の監視や、声なき者の代弁をするのもメディアの重要な役割であるはずなのに、現在の記者クラブをはじめ多くのマスコミは政府におもねり、商業主義に走り過ぎている。メディアが巧妙に民衆を操り、偽装された世論を操作し、選挙時に多くの無党派層の占める浮動票を動かしてきた。
世界一好戦的な米国新自由主義者を追随する安倍政権。大戦後、平和憲法を守り一度も戦争をしてない日本であるが、“否が応でも戦場に駆り出される”危険を高めている。情報量に劣る国民にとって、メディアが果たす役割は大きい。
はた目には、民主的に見える手法を随所にちりばめた日本ではあるが“真の民主国家”になるため、我々は真実を知る努力を怠ってはならない。
福島の原発事故以来、日本中の原発の稼働は停止している。これは毎週金曜の首相官邸前のデモ等、民衆の声が政府に届いているからとも考えられよう。“民の声”を叫び続けなければならない。
まず、選挙方式に少なからず問題がある。①小選挙区制②投票率の低下③一票の格差④立候補者同士の公約の重なり等、である。小選挙区制では選挙区に一人だけしか当選しない。ある選挙区で五一%の獲得票者が当選し、四九%票の声は反映されない。本来ならば当選者はこの四九%の声も汲んで国会活動をすべきであろう。事実、先の総選挙で自民党は四三%の得票で二九四議席七九%の議席を獲得している。しかも〇九年の民主党が政権を奪取した総選挙時より約一六六万票も減らしていたにも拘らず、である。棄権した人も含めると、自民党の得票率は小選挙区では有権者の二五%にも満たない。
加えて、一票の格差問題。違憲・違憲状態の裁判所の裁定が出ているにも関わらず、改善の兆しもない。また、選挙公約(マニフェスト)の重複により候補者間の票が割れ、漁夫の利を得た当選者が出ることもあろう。今、東京都知事選の立候補者に細川氏が加わった事により、脱原発を掲げていた宇都宮氏と競合し、利を得る候補者が当選する可能性がある。
次に、選挙後の公約(マニフェスト)違反がある。選挙前にはどの候補者も大衆迎合になりがちである。だが、当選後それまでの言動を覆し、真逆の行動に出た場合、例えば民主党が政権を取った時の政権公約「消費税は四年間上げません」や今自民党当選議員の七割がTPP反対を掲げ当選。「聖域が確保できないときは撤退も辞さない」と謳っていたが、現安倍政権はTPP交渉会議から撤退する気配は微塵も見られない。沖縄の普天間基地移転問題では、仲井眞県知事が辺野古埋め立てを容認。これら選挙民への裏切り行為に対して、現状として国民はなすすべがない。
これらの対案として、直接民主主義方式を採用し、大きな課題ごとに国民投票を実施する仕組みを作る。当選議員は自分の思考に囚われず、国民が選んだ課題を只々ひたすらに愚直に実行するといった形態を構築する。その中で公約を覆したり、成果の出なかった議員たちは政界から排除される仕組みを入れるなどのペナルティを課する、方法である。
しかしながら、この方法の最大の難点はa.正確に民意をくみ取る方法、b.民意の操作がマスコミなどにより歪められないことが必須条件である。
今日まで、幾つかの大手マスコミは日本の正当な民主主義の醸成を阻害する元凶となり続けてきた。本来、マスコミは単に報道だけでなく、国民が“自由意志”で決定できるよう、偏りのない情報を提供する義務がある。さらに政府(権力者)の監視や、声なき者の代弁をするのもメディアの重要な役割であるはずなのに、現在の記者クラブをはじめ多くのマスコミは政府におもねり、商業主義に走り過ぎている。メディアが巧妙に民衆を操り、偽装された世論を操作し、選挙時に多くの無党派層の占める浮動票を動かしてきた。
世界一好戦的な米国新自由主義者を追随する安倍政権。大戦後、平和憲法を守り一度も戦争をしてない日本であるが、“否が応でも戦場に駆り出される”危険を高めている。情報量に劣る国民にとって、メディアが果たす役割は大きい。
はた目には、民主的に見える手法を随所にちりばめた日本ではあるが“真の民主国家”になるため、我々は真実を知る努力を怠ってはならない。
福島の原発事故以来、日本中の原発の稼働は停止している。これは毎週金曜の首相官邸前のデモ等、民衆の声が政府に届いているからとも考えられよう。“民の声”を叫び続けなければならない。