パブリックコメント

2014年8月21日

特定秘密保護法 運用基準案に対する意見

 特定秘密保護法を具体的に施行するための「運用基準案」や政令、施行令に関する審議が、政府の施行準備室にて継続的に行われていた。
2014年7月24日から、それぞれに関するパブリックコメントが募集されており、協会からも、以下のとおり意見を3点提出した。
 法や運用基準案等が、医師に何を求めるのか。特定秘密保護法が国民全般に及ぼす問題は、様々なところで議論が深められているが、医療周辺の分野からを中心に指摘をした。

(意見1)
5.Ⅳの5の(5)のア(適正評価の実施方法について)

6.行政機関以外の照会は必要最小限となるように、と記述されているが、医療機関や医師に対し照会事由がある場合には、最小限の照会などはありえないのではないか。
 仮に最小限の照会であったとしても、医師には守秘義務が課せられている。患者の情報は患者自身の無責性の証明や、権利の取得、補償などにおいて利用されうるものであり、本法に伴う本基準にて、患者の情報提供や照会を求められても、患者の利益になることばかりでない。守秘義務を解除する理由には相当しない。
 また、照会や情報提供に応ずることとなれば、患者との信頼関係を喪失する可能性が高く、ひいては医療に対する信頼も薄らいでしまう。患者からの病状説明等に影響が及ぶなど、治療に支障が及ぶことが見込まれる。

 適正評価に関し、医師への照会方法があいまいであり、調査に対する留保する余地の有無なども、運用基準として示すべきである。

 本法における再考が求められる。

(意見2)
5.Ⅴの1の(2) (チェック機関の集中)

6.特定秘密の指定及びその解除並びに適正評価の実施の適正を確保するための事務の公正かつ能率的な遂行のために、内閣保全監視委員会、内閣官房内閣情報調査室を設置するとあるが、情報保護と情報解除という、情報の取扱のチェックと、適正調査の公正さのチェックは、性質がかなり異なる。
部署は分けた方がよい。
 性質の異なる実務を同一部署が担う場合には、実務が正確に出来得ない場合と、権限の集中により、運営が強権化される可能性が見いだせる。特に後者については法案審議より指摘され続けている点である。
(3)の如く、実際に情報の管理においては別部門が行なうこととしている。

(意見3)
5.Ⅴの5の(1) (報告機関の集中)

6.適正評価の実施報告を求める機関と、情報の指定や解除の実施報告を求める機関とが同一であるが、情報の取扱と適正調査の実施は性格が異なっており、部署は分けた方がいい。

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