基金、国保との懇談を終えて
自分の医療を守るために再審査請求を
上尾市 小橋 一成
多くの会員が関心を寄せ、意見も多いのが、レセプト審査である。その内容は多岐にわたるが「病名モレ」による減点への対応は協会の審査対策の最重要課題であった。今回、支払基金(以下「基金」)国保連合会(以下「国保」)と懇談し、病名がモレていたと証明できる根拠資料を添付することにより、再審査請求できることを再度確認した。
今回の懇談の中で審査側の真意がかなり見えた。明確な回答を得た2点について解説する。(回答の詳細は、本紙9月5日号および、本号を参照されたい)
病名モレ減点への対応
2013年当時、病名モレでの減点は「ミスをした医療機関の責任」として、取り下げ依頼でレセプトを出し直すことも、再審査請求することも認められず、門前払いとされていた。協会の会員アンケートでも病名モレ減点への取扱い改善の声は多く、基金、国保と懇談して、根拠資料を添付して再審査請求を行うという、復活することへの道筋を示させた。
その後、病名モレ減点で、根拠資料をつけて再審査請求を行い「復活した」との報告が寄せられた。しかし、原審通りとなり、その理由が「適用となっている病名が、レセプトにない」と、再審査請求そのものを認めないとするような記述がされる事例が増えてきた。さらに、病名モレについて電話で問い合わせると審査機関から「病名モレは復活しない」「再審査請求をしても認めない」と、言われたという会員からの声も多く寄せられた。
今回の懇談では、まず6年前の懇談で示された回答が変更されたのかを確認した。基金、国保とも、当時の回答から変更がないこと、実際に、カルテや検査データー等の関連する資料があり、患者の病態を審査員が判断できる資料を添付して、再審査請求すれば病名モレは復活しているとの回答を得た。
すなわち、カルテの中に病名モレを証明できる記載があれば、証拠資料の一つとして提出し、病名モレは復活するということである。
しかし、ここでひとつ気になる問題がある。再審査請求を判断するのは審査委員であり、資料が不十分だと判断されたならば、復活しない可能性がある。保険医側に請求する根拠があれば、納得するまで、再審査請求をすべきである。
減点理由の明記について
再審査請求を行うには、減点された理由をはっきりさせる必要がある。その理由を争点として再審査請求を行わなければ復活は有り得ない。しかし、現実は記号のみだったりと不明確となっている。
基金は、具体的な減点理由の記載に取り組んでいるが、減点理由がよくわからない場合は審査相談窓口に紹介して欲しいと回答した。
国保では増減点連絡書が記号のみでわかりづらい。この対応策として、事務的な部分については電話照会で対応。医学的な判断も電話照会に応じるが、審査員に確認するため、回答に時間がかかるものもあると説明した。
つまり、国保も社保も減点理由が不明な場合は、電話で確認できるということだ。減点理由をはっきりさせ、納得するまで、再審査請求すべきである。
納得いかない減点には再審査請求を
私は「保険診療とは何か?」「保険診療の質を上げるためにはどうしたら良いのか?」という観点から、レセプトの返戻は非常に診療の参考になると思っている。例えば、保険診療で適応とならない検査・薬があること、改定の度に変わる算定要件に合致していなかったなど、注意が必要な点がわかり、その都度修正して対応ができる。
減点の場合は、その理由を確認する必要がある。そして、減点理由に納得できなければ、必ず再審査請求をすべきである。そのためには普段より診察・カルテ記載の充実が大切である。それは患者の受診する権利を守り、自分の医療を守ることにつながる。
以前の懇談で再審査請求した内容は、審査機関で記録されているということであった。この記録は、審査機関に目をつけられるのではなく、自分の医療の正当性を証明するものとなる。つまり、再審査請求は自分の医療を守るものである。
今回の懇談の中で審査側の真意がかなり見えた。明確な回答を得た2点について解説する。(回答の詳細は、本紙9月5日号および、本号を参照されたい)
病名モレ減点への対応
2013年当時、病名モレでの減点は「ミスをした医療機関の責任」として、取り下げ依頼でレセプトを出し直すことも、再審査請求することも認められず、門前払いとされていた。協会の会員アンケートでも病名モレ減点への取扱い改善の声は多く、基金、国保と懇談して、根拠資料を添付して再審査請求を行うという、復活することへの道筋を示させた。
その後、病名モレ減点で、根拠資料をつけて再審査請求を行い「復活した」との報告が寄せられた。しかし、原審通りとなり、その理由が「適用となっている病名が、レセプトにない」と、再審査請求そのものを認めないとするような記述がされる事例が増えてきた。さらに、病名モレについて電話で問い合わせると審査機関から「病名モレは復活しない」「再審査請求をしても認めない」と、言われたという会員からの声も多く寄せられた。
今回の懇談では、まず6年前の懇談で示された回答が変更されたのかを確認した。基金、国保とも、当時の回答から変更がないこと、実際に、カルテや検査データー等の関連する資料があり、患者の病態を審査員が判断できる資料を添付して、再審査請求すれば病名モレは復活しているとの回答を得た。
すなわち、カルテの中に病名モレを証明できる記載があれば、証拠資料の一つとして提出し、病名モレは復活するということである。
しかし、ここでひとつ気になる問題がある。再審査請求を判断するのは審査委員であり、資料が不十分だと判断されたならば、復活しない可能性がある。保険医側に請求する根拠があれば、納得するまで、再審査請求をすべきである。
減点理由の明記について
再審査請求を行うには、減点された理由をはっきりさせる必要がある。その理由を争点として再審査請求を行わなければ復活は有り得ない。しかし、現実は記号のみだったりと不明確となっている。
基金は、具体的な減点理由の記載に取り組んでいるが、減点理由がよくわからない場合は審査相談窓口に紹介して欲しいと回答した。
国保では増減点連絡書が記号のみでわかりづらい。この対応策として、事務的な部分については電話照会で対応。医学的な判断も電話照会に応じるが、審査員に確認するため、回答に時間がかかるものもあると説明した。
つまり、国保も社保も減点理由が不明な場合は、電話で確認できるということだ。減点理由をはっきりさせ、納得するまで、再審査請求すべきである。
納得いかない減点には再審査請求を
私は「保険診療とは何か?」「保険診療の質を上げるためにはどうしたら良いのか?」という観点から、レセプトの返戻は非常に診療の参考になると思っている。例えば、保険診療で適応とならない検査・薬があること、改定の度に変わる算定要件に合致していなかったなど、注意が必要な点がわかり、その都度修正して対応ができる。
減点の場合は、その理由を確認する必要がある。そして、減点理由に納得できなければ、必ず再審査請求をすべきである。そのためには普段より診察・カルテ記載の充実が大切である。それは患者の受診する権利を守り、自分の医療を守ることにつながる。
以前の懇談で再審査請求した内容は、審査機関で記録されているということであった。この記録は、審査機関に目をつけられるのではなく、自分の医療の正当性を証明するものとなる。つまり、再審査請求は自分の医療を守るものである。