声明・談話

年頭所感

埼玉県保険医協会理事長 大場 敏明
 あけましておめでとうございます。
 昨年は台風の上陸が相次ぎ、埼玉県内も台風19号により1947年のカスリン台風以来ともいわれる大きな被害がもたらされました。協会会員では2人に深刻な被害があった他にも、多数の皆様方から被害報告をお寄せいただきました。改めまして被災されました皆様方にお見舞いを申し上げます。
 安倍政権の長期化に伴い国政の「奢り」や「国の機構の歪み」は一層と顕著になりました。昨年は雇用や給与、労働時間などを表す「勤労統計」をはじめとし、国の56ある基幹統計のうち24の統計に不正があったことが発覚しました。日本国内の全体像を示す統計は、国の政策づくりの際にも基礎とされますが、その素材に不正が施されていては、国民生活をはじめ社会保障制度を検討することなどは困難になります。しかし不正の原因は究明に至りませんでした。国のデータ、公文書は国民の財産であることが軽視されすぎています。官僚組織のトップたる内閣総理大臣の無責任な振る舞いが影響を及ぼしているといえましょう。総理主催の「桜を見る会」に首相招待枠が1,000人とされ「私物化」との指摘に象徴されますが、政権幹部の強弁や振る舞いが国を歪ませています。
 安倍政権は医療や社会保障分野を支える診療報酬や社会保障費を抑制することを至上命題としています。一方で企業の内部留保は総額で463兆円と過去最多に、安倍政権下の7年間で160兆円も増えました。直近1年間でも16兆円増と驚くべき富の偏りです。年間の国民医療費43兆円のうち国の支出は年間12兆円と言われます。国の年間医療予算よりも多い額が企業の内部留保として毎年増え続けていながらも国は税収不足で悩んでいます。10月には消費税率が10%に引き上げられました。診療報酬も幾分引き上げとなりましたが、会員の皆様方からは諸物価の高騰などにより経営環境が悪化しているという声が寄せられています。国民の消費の落ち込みは顕著で8%への引き上げ時よりも酷い状況です。
 安倍政権の政策の歪みを感じずにはいられません。
 地域医療の提供体制をめぐり公立病院等の実名をあげながら統廃合を目指す動きが顕在化してきました。今後は民間病院の実名発表も目論まれ、最終的には地域の病床を削減し在宅医療に向けていくことが地域医療構想の目的です。今年は医療提供体制の抑制のみならず「全世代型社会保障制度」と称して「75歳以上の窓口負担2倍化」「かかりつけ医を受診しないと窓口負担を追加」などの患者負担増計画を政府や経済団体らが本格的に要求してくる1年とみられています。我々が医療を行う環境をこれ以上悪化させないためにも患者や国民とともに社会保障費・医療費抑制策の転換を求めていきたいと思います。
 今春の診療報酬の改定に向け協会では昨秋から報酬の是正・改善要望、改定率の大幅引き上げの陳情などを進めて来ました。年末最後まであきらめることなくプラス改定目指し、会員の皆様の声とともに議員の方々に訴えてきたところです。3月には新点数説明会を県内各地で開催いたします。ご来場のうえ新点数の感想や問題点などを是非お寄せください。
 今年も4,180人の会員の皆様方と医療、社会保障の改善運動、協会の発展に向け、より一層力を尽くす所存です。皆様方にとって本年が健やかな1年となりますよう心より祈念いたします。

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