COVID―19対策 日常診療を継続できる対策に

久喜市 青木 博美
 この記事が掲載される頃には、COVID-19は拡散を続けているだろうか。収束に向かっているだろうか。

COVID-19警戒下の診療は疲れる
 患者は病院へ入る前に、症状のチェックと検温。発熱者は動線を変えて発熱外来へ誘導される。たまに発熱外来担当になるのだが、これが、また、面倒なのである。ガウン、手袋、フェイスシールド。物々しい格好で患者さんと対する。聴診器をつけるのもフェイスシールドがあると邪魔である。
 入院患者の診察にも一手間かかる。COVID-19ではなかろうと診断されるまでは、厳重な手間をかけて診察しなければならない。ぼやきが出るのも仕方がないだろう。

4つの呼称
 ウイルス名「新型コロナウイルス」、病名「新型コロナウイルス感染症」。国際的には、WHOの提唱により、ウイルス名「SARS-Cov-2」、病名「COVID-19」である。ニュースなどでは、専ら新型コロナウイルスと呼ばれている。どこかの時点で呼称を国際的なものにすべきだろう。

完全な封じ込めを求めると無理がくる
 このウイルスは、無症状、軽症の感染者もかなりおり、感染ルートとして、飛沫感染、接触感染、エアロゾルによる空気感染がいわれている。
 これを完全に封じ込めようとすれば、誰もが巣ごもりしているしかないだろう。あるいは、完全防護で生活するか。現実的には無理である。
 感染を恐れるあまり人々は、感染者を非難するようになる。「感染するようなことをしていたのか」、「感染リスクのある人は近づかないで」、「あそこの医療機関で感染者が出た」、「感染しているかもしれないから医療関係者は来ないで」。感染者を排除しようとする気持ちがエスカレートしていく。一方では「医療機関のみなさん、頑張ってください。感謝、エールを送ります」と言っているのだが。

少し冷静になって、リスクを考えてみる
 感染者は厚労省発表の5倍ほどいると推測する。年間の死亡者は2,000人を超えそうな見込みだ。
 例年のインフルエンザ感染は、国内で推定約1,000万人。直接、間接の死亡者(超過死亡)数は、約1万人と推定されている。死亡だけで見ると、インフルエンザの5分の1から10分の1。10万人あたりでは、1.6人程度である。
 10万人あたりの年間死亡者数は「リスクのモノサシ」(中谷内一也氏、NHKブックス)では、ガン250人、喫煙80人、自殺24人、交通事故9人、入浴中の水死2.6人、火事1.7人となっている。現状は火事による死亡と同じ程度だが、火の用心と同じくらいCOVID-19の注意は大切となるのだろうか。

標準予防策、検査の拡大、発熱者は一週間は休業
 今後はどのように、診療や生活の風景が変わっていくのだろうか。
 再度の拡散が起こってしまっているが、日常の診療は標準予防策(+飛沫感染、接触感染予防策)を適切に行うことで良いのではないか。これからの季節は他の感染症も流行するため、COVID-19だけに的を絞ってはいられない。発熱者を全て、発熱外来で診るのは無理な状況になると思う。
 気が付かないうちに院内感染が広がっていることは避けたいので、検査は幅広く自由に実施できるようにする。スタッフは定期的に検査を受けるなど(費用は補助)、過大な制限をすべきではない。外を歩くときは少し(1.5m)離れて歩く。発熱者は病状の程度によらず一週間は休業。これを認める社会になって欲しいと思う。
 挨拶するときなどはマスク不要。早くマスクを外して、笑顔が見える暮らしが帰ってきて欲しいものである。

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