論壇
命に直結する薬不足を関係各所は真摯に受け止めよ
川越市 柴野 雅宏
全国的に薬不足が続いている。抗生剤、抗インフルエンザ薬、咳止め、解熱剤等のみならず、循環器や呼吸器等の薬も不足し、もはや患者さんの命が危ぶまれる事態となっている。
この状況は先進国とはかけ離れていると言わざるを得ない。さらに、国民の命を危険な状態にさらしているにもかかわらず、政府も厚生労働省も、財務省(責任の一端はここにもあると思われる)もここに至るまで何の責任も負おうとはしていない。それどころか、本来なら現状を厳しく追及しなければならないはずの日本医師会長すら、例えば抗インフルエンザ薬の不足に関して、想定外の患者が発生したためやむを得ない等と言い訳している次第である。
先日あるテレビ番組で、子どもにECMOを装着した例を放送していた。また、インフルエンザ脳症を発症した子どもがいかに多いかも特集していた。この例などは、小生の考えだが、タミフルなど抗インフルエンザ薬をきちんと用意しておけば、多くの子ども達を助けられたのではないかと思われる。要するに、国家は子ども達を見殺しにしたも同然なのである。
また、話はずれるが、別のバラエティ番組で、外国人専用のクリニックの特集をやっていた。アメリカ人の患者が(旅行保険に入っていない例であるが)日本の医療費はとても安いと感激していた。マスコミは日本の医療費は高いと報じてきたが、外国人の目から見て、日本は世界一低い医療費で世界一の長寿を得る理想的な医療制度に映ったと思われる。
話を戻すが、現在の薬不足は何と言っても、政府による医療費抑制策が一番の原因と言わざるを得ない。抑制を目的とした先発品のジェネリックへの誘導(患者さんの立場では、少しでも安い薬の方に誘導されるのは悪いことではない)は常軌を逸している。先発品を認めず、ジェネリック薬品に誘導した結果、そのジェネリック薬品を作る製薬会社の多くが、政府の基準をクリアできなくなり、生産中止に追い込まれ、薬不足に陥ってしまった。一度生産できなくなって、再度基準をクリアするためには数年もの時を要す。その基準を満たせない会社は、生産するのを止めてしまうだろう。結果として、現在の薬不足の問題は解消されるまで、かなりの時間を要することになりそうだ。
この間、国民の命は誰が守るというのであろうか。小生が気にしているのは、薬不足は命に直結した問題であることに尽きる。しかし、政府、厚労省、財務省、ひいては日本医師会に至るまで、まるで他人事のようである。また、国民の命が危険にさらされているにも関わらず、マスコミも問題を追及していない。それどころか国民の健康を脅かす重大な問題は報じず、十数時間不毛な記者会見を放送する始末である。もっと真摯に国民にとって何が本当に必要なことなのかを関係各所は考える必要があると思われる。
最後にもう一度言うが、薬不足の問題は国民の命の問題ということを強調しておきたい。
この状況は先進国とはかけ離れていると言わざるを得ない。さらに、国民の命を危険な状態にさらしているにもかかわらず、政府も厚生労働省も、財務省(責任の一端はここにもあると思われる)もここに至るまで何の責任も負おうとはしていない。それどころか、本来なら現状を厳しく追及しなければならないはずの日本医師会長すら、例えば抗インフルエンザ薬の不足に関して、想定外の患者が発生したためやむを得ない等と言い訳している次第である。
先日あるテレビ番組で、子どもにECMOを装着した例を放送していた。また、インフルエンザ脳症を発症した子どもがいかに多いかも特集していた。この例などは、小生の考えだが、タミフルなど抗インフルエンザ薬をきちんと用意しておけば、多くの子ども達を助けられたのではないかと思われる。要するに、国家は子ども達を見殺しにしたも同然なのである。
また、話はずれるが、別のバラエティ番組で、外国人専用のクリニックの特集をやっていた。アメリカ人の患者が(旅行保険に入っていない例であるが)日本の医療費はとても安いと感激していた。マスコミは日本の医療費は高いと報じてきたが、外国人の目から見て、日本は世界一低い医療費で世界一の長寿を得る理想的な医療制度に映ったと思われる。
話を戻すが、現在の薬不足は何と言っても、政府による医療費抑制策が一番の原因と言わざるを得ない。抑制を目的とした先発品のジェネリックへの誘導(患者さんの立場では、少しでも安い薬の方に誘導されるのは悪いことではない)は常軌を逸している。先発品を認めず、ジェネリック薬品に誘導した結果、そのジェネリック薬品を作る製薬会社の多くが、政府の基準をクリアできなくなり、生産中止に追い込まれ、薬不足に陥ってしまった。一度生産できなくなって、再度基準をクリアするためには数年もの時を要す。その基準を満たせない会社は、生産するのを止めてしまうだろう。結果として、現在の薬不足の問題は解消されるまで、かなりの時間を要することになりそうだ。
この間、国民の命は誰が守るというのであろうか。小生が気にしているのは、薬不足は命に直結した問題であることに尽きる。しかし、政府、厚労省、財務省、ひいては日本医師会に至るまで、まるで他人事のようである。また、国民の命が危険にさらされているにも関わらず、マスコミも問題を追及していない。それどころか国民の健康を脅かす重大な問題は報じず、十数時間不毛な記者会見を放送する始末である。もっと真摯に国民にとって何が本当に必要なことなのかを関係各所は考える必要があると思われる。
最後にもう一度言うが、薬不足の問題は国民の命の問題ということを強調しておきたい。