医療改善・署名

5月26日公開シンポジウム「お金がなければ医療さえも受けられない?」のご報告

 5月26日に実施いたしました公開シンポジウム「お金がなければ医療さえも受けられない?-広がる貧困の実態-」にご参加いただいた皆様、またIWJ様サイトにて中継映像をご覧いただいた皆様、誠にありがとうございました。
 この度の催しにつきまして、簡単にではございますがご報告を行わせていただきたく存じます。
 
宇都宮弁護士
 
1.各講師からの発言
  • 前半の講演では、講師である宇都宮健児弁護士より、社会構造の変化によって非正規雇用、ワーキングプアが拡大している事実、日本の生活保護制度が実際に保護すべき生活水準にある人々の2割ほどしか支援できていない実態など、貧困の総論的な部分についてご説明いただきました。続いて吉廣慶子弁護士、藤田孝典氏らには貧しい生活を送ることを余儀なくされる人々の実態について、各方面から報告を行っていただきました。
  • 後半からは山崎利彦協会常任理事を混じえ、シンポジウム形式にて各講師らと対談を行いました。大場敏明協会理事長からは受診中断に関する調査データを報告。貧困について多面的に捉えていただけるよう進行させていただきました。
2.当日の講演の模様
  • 当日の講演の模様をご覧いただけます。ご覧になりたい題目をクリックしてください。
(1)宇都宮 健児 弁護士
「お金がないと医療さえも受けられない? -広がる貧困の実態-」

 [ 前編 ]     [ 後編 ]

(2)吉廣 慶子 弁護士
「三郷生活保護裁判の勝訴確定 -水際作戦・硫黄島作戦の違法性を認定-」


(3)藤田 孝典 氏
「NPO法人ほっとプラスの取り組み」


(4)パネルディスカッション
3.アンケートで寄せられた感想(一部)
  • 講師の方は第一線の方で話がリアルだった。「諦めないで出会って欲しい(NPO法人代表藤田孝典氏の発言より)。」、確かにそうですね。
  • 国の施策から、現場で矛盾と向き合いながら、それぞれの立場が力一杯、闘っている方々の話を聞いて心強いのと、明日からの自分へ元気をもらいました。
  • 福祉課は、現場の第一線。矛盾を抱えています。今日は何か、福祉課が悪者であるような発言もありましたが、もっと上、厚労省の方針。政治にあると思います。
  • 生活保護に関わる現状を聞く機会は過去にもありましたが、今回は医療の現場からの実態を知ることができました。本当に、人間として生きていくために本来保障されるべき制度がどんどん壊されている様子を目の当たりにした思いです。
  • 宇都宮さんの話が良かった。貧困の実態がよくわかった。明日は我が身で、とても他人事ではないと思った。
  • 貧困について、その社会的背景をお教えいただきました。その対抗として、憲法上の権利の実質化を図ってゆくべきだということを理解した。
  • ボランティアで公園清掃していますが、時折ホームレス風の人から話しかけられることがあり、貧困とか貧富の格差とか、考えさせられることがあります。
  • 聞きやすい語りに、わかりやすい話で知りたいこと、感じていることをお話いただけた。20代、30代にこそ聞いて欲しいと思う。
  • 貧困が極く身近にあること、構造的なものであること、負の連鎖がなくなるために援助が必要であることがよくわかった。
  • 貧困が社会の中にいろいろな悪循環を起こしている。政治の力が大きい。憲法をいかしていけるようにしなければと思う。

3.今後の予定につきまして
「私たちのこれから」を考える取り組みは引き続き続けてまいります。直近では6月23日に総会の記念講演として孫崎享氏を迎え、「TPP参加 日本はこれからどうなるか?~試される外交力~」をテーマに講演いただく予定です。詳細は別ページにてご紹介しておりますのでご覧ください。今後共埼玉県保険医協会と「私たちのこれから」をよろしくお願い申し上げます。

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